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僕のピアノコンチェルト

僕のピアノコンチェルト


 ハリウッド映画にいい加減愛想が尽きている…というのは何度か書いているのですが、だからといってスイス映画を観たいと思うようになるとは思いませんでした。

 で、観終わった正直な感想。

 ハリウッド映画界はこういう作品を見習って進化するべきだ。

 なんだろう、すごく感動した。泣ける場面はありません(少なくとも私は泣いてない)。強烈に記憶に焼きついた印象的なシーンやセリフもありません(ラストは別だけれど)。でも観終わったあとにじーんと胸のあたりが温かくなる、そんな作品でした。
 ストーリーは言葉にしてしまうと至って単調。IQ180の天才少年の孤独と成長、そして家族の在り方を描いたものです。けれど中身はそんな簡単なものではありません。天才が天才であるがゆえに孤独になってしまうことを知り、両親はそこまで理解が至らず追い詰めてしまう。もともと天才児が主人公なので「ありえない!」的なエピソードが満載なわけですが、この追い詰められた天才児がある行動を起こすと同時に家族のバランスがおかしくなってしまう――そのミラクルからリアルへの描写がまた絶妙でした。
 詰め込みすぎなわけでもないのにたくさんのエピソードがあり、その一つ一つに説得力がある。全てにおいて消化され、完結しているのです。作品としてこうも「見事!」と思えるのも珍しい。ハリウッドよ、頼むから見習ってくれ……!!

 ――と、作品の完成度でベタ褒めしてしまいましたが、一番素晴らしいのは主人公を演じたテオ・ゲオルギュー君。監督自らがロンドンの音楽学校から見つけてきたという、まさに天才ピアニスト。ラストのシューマンの演奏など、うっかり画面につられてスタンディングオベーション…にならなかったのはギリギリの理性(笑)本当に素晴らしかった!
 残念ながら他の役者さん達はわからなかったのですが、おじいちゃん役のブルーノ・ガンツは有名。優しく温かく、最大の理解者の役。この作品において最大の癒しポイントを見事に演じてくれました。

 ここ数年でめっきりハリウッド離れが進んだ私ですが、ほんとこういう海外作品に出会ってしまうと「もっと頑張れよハリウッド!」と思ってしまう。リメイクや続編やCGに頼った作品ばっかり作ってないで、そろそろ心をズキューンと打ち抜く感動作を作って欲しいな。
 この「僕のピアノコンチェルト」はスイスの作品ですが、初めて観たけど全然観やすいと思いました。ほら、フランス映画だと感性重視というか、意味が判らない日本のただのお気楽で映画が好きな人間には少し難しかったりするでしょう。スイスはそういうのがなくて良かった♪……ますます頑張れハリウッド。
| 映画(2007年) | 20:39 | comments(0) | trackbacks(0) | author : カリン
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